最近よくニュースに出てくる聞きなれない言葉があります。限定正社員制度ってやつです。
それっていったい何?って感じですよね。何を限定されるの?
今回は限定正社員制度について取り上げたいと思います。
減る“正社員” 増え続ける“非正規雇用者”
正社員と非正規雇用者の推移を見てみると、正社員は1997年まで増加、それ以降2006年まで減少し、その後ほぼ横ばいです。
非正規雇用者はリーマンショック(2008年9月)の影響による、いわゆる“派遣切り”のため2009年に減少に転じたものの、その後、再び増加しています。
非正規雇用者は1990年の20.0%から2013年は36.2%へ大きく上昇。今や、働く人の3人に1人以上です。
限定正社員とは?
正社員と非正規雇用者の中間の立場とされています。
何を限定されているのか?
「勤務先」と「職種」と「勤務時間」です。勤務先が限定されるというのは、転勤は無いということ。職種が限定されるというのは、ずっとこの場所で仕事をしてくださいってことです。
転勤・ 職種変更 |
雇用期間 | 安定度 | |
正社員 | あり | 無期 | 解雇される 可能性は低い |
限定 正社員 |
なし | 無期 | 契約に定められた 仕事がなくなれば 解雇されることもある |
非正規 雇用者 |
なし | 有期 | 仕事がなくなれば 雇止めされる こともある |
これが限定社員なんです。非正規雇用でいるよりは良いのかどうか・・・。
限定正社員のメリットとデメリット
限定社員は、どんなメリットとデメリットがあるのか。
労働者側からすると、メリットは非正規社員より身分が安定します。そして、社会保険に加入できるし、子育てや介護との両立がしやすいです。あと、仕事が変わらないので専門性を高めやすいというのがメリットです。しかし、正社員より待遇が悪いですし、その仕事がなくなると解雇されてしまうのがデメリットです。
企業側からすると、正社員より解雇しやすいですし、不採算部門に余剰人員を抱え込む心配をせずに事業展開できるのがメリットで、解雇を巡る訴訟リスクの増加と社会保険料の負担が増えることがデメリットです。
まとめ
気になるのは限定正社員の待遇ですが、社会保険の加入などは正社員と同じです。給与面はというと、正社員と同じにする必要はないんですよ。
限定とはいえ正社員という名前が付いているんだから、限定正社員も正社員と同じくらい貰えるのかといえば・・・そうでもない・・・という悲しい事実。はぁ、世の中は厳しい。
ちなみに、解雇ルールは今年度中に検討を始め来年度中に結論。
つまり、限定正社員は非正規より身分が安定しているものの、正社員よりは賃金は安くて、解雇もしやすくなると見られます。
なんか、切ないです。え~ん。