目が乾いているのは、単純に涙の量の問題かなと思いがちですが、実はそれだけではありません。
目を守るのに欠かせない涙の「質」も関わってきます。
特に乾燥する寒い時期に多くみられて、ドライアイの患者数は2000万人以上と言われています。
目が乾くと痛い理由
そもそも涙というのは、目の表面を守るバリアの働きがあります。
それ以外に、目の洗浄と殺菌とか栄養補給など多くの役割を担っています。
昔は、その涙の量が減るということだけが問題だと考えられていました。
しかし最近では涙も質も重要だと考えられています。
涙には3種類の成分があります。
塩水、油分、粘液です。
涙の成分のうち、水分は3層構造の真ん中にあります。
水分の上に油分があります。
この油分は、マイボーム腺というところから分泌されていて、水分を蒸発するのを防いでくれています。
さらに一番下にムチン層という粘液の層があって、この粘り気によって涙が角膜の上に均等に定着しているのです。
ただ水分があればいいだけではなく、油分も粘液も大事。
例えば、油分が少なくなれば、涙は蒸発しやすくなります。
涙が十分にあっても、蒸発して乾燥してしまいやすくなるということ。
また粘液が少ないと、涙が均等に行き渡らずにムラになってしまいます。
化粧のノリが悪いのと似ていて、目に潤っている部分と乾燥している部分ができてしまうということです。
その結果、眼球に傷がついて、目の痛みや違和感につながります。
ドライアイの原因
ドライアイは、目を守る働きをしている涙の量と質の問題で、目の表面に涙が均等に行き渡らなくなる状態です。
放置していると異物感だけではなく視力の低下をきたすこともあります。
ドライアイは何が原因だと思いますか?
涙の量が少ないとか、アレルギーとかです。
また、環境にも左右されます。
エアコンなどの暖房。
温風が直撃すればすごく目が乾きますよね。
パソコンやテレビを長時間見続けることも原因です。
集中していると、まばたきの数は減ってしまいます。
ずっと目が開きっぱなしに。
目の表面が乾きやすくなります。
目が乾くのはコンタクトのせいかも
ソフトコンタクトレンズは、コンタクト自身が、水分を含むようにできています。
ちょっとスポンジ的な効果があるので、涙の少ない人は余計に涙を吸い取られてしまいます。
その場合は、ソフトコンタクトレンズはあまり望ましくないということになります。
コンタクトをしていて目の異常を感じたら自分で判断せずに眼科を受診して目の状態に合ったコンタクト選んでもらいましょう。
ドライアイかどうかの検査は簡単です。
涙液層破壊検査というのがあります。
これは、目を10秒ほど開いて涙の層が壊れるまでの時間を計る方法です。
5秒未満だとドライアイ。
この他にも、ろ紙を目のふちに入れて、どこまで涙が染み渡るのかを測るシルマー検査というのもあります。
ドライアイになると目を開けづらいのに、開けないと見えません。
そうすると険しい顔になってしまいます。
「あの人、こわい」と言われてしまわないように、目の乾燥を防ぎましょう。