いつもは快便なのに、旅行先では出ない。そういう経験は誰にもあると思います。
旅行から帰ってくると、いつも通りに出て、便秘が治っている。なんだったんだろう、みたいな。
「私、もう1週間出てないの」という話も聞きます。
便秘は女性に多いイメージがあるのですが、実際はどうなんでしょう。
今回は便秘について取り上げます。
便秘の種類
医学的には便秘症と言いまして、1つは器質性便秘、もう1つは機能性便秘という2つの便秘に別れます。
器質性便秘とは
潰瘍などが出来て通り道がふさがれて起こる便秘のこと。簡単にいうと、病気の兆候からくるものです。
腸の内部が、ガンや腫瘍などでふさがっている状態。
機能性便秘とは
大腸の動きが弱すぎる・強すぎるなど、働きの異常によって起こる便秘のこと。簡単にいうと、生活習慣やストレスによるものです。
機能性便秘はさらに細かく分かれています。
- 一過性便秘⇒旅行などの環境の変化が原因
- 習慣性便秘⇒ストレス、生活習慣が原因
習慣性便秘は、
- 弛緩性便秘⇒腸がゆるむ 高齢者や運動不足の人に多い
- 痙攣性便秘⇒腸が締まる 若い女性に多い 腸が緊張しすぎてコロコロの便が出る
- 直腸性便秘⇒便意のセンサーが鈍くなる 便意を我慢し過ぎることが原因
に別れます。
便秘を放っておくとどうなるのか?
便秘症を患っている人のうち、およそ3分の2が女性です!
なぜかというと、女性ホルモンも関係してくるからです。
生理中・妊娠中に出てくる黄体ホルモンが大腸の働きを弱めたり、水分を少なくし便を硬くしてしまうことがあります。
長期間便秘が続くと、ずっと便が腸の中に留まるわけです。放っておくと発がん物質が出来る可能性も!
便秘解消法
「おなかのマッサージ」
マッサージをすることによって腸がよく動いて便を押し出す作用が高まります。
時計回りに「の」の字を書くようにマッサージするのがポイントです。
「繊維質・果物・水分をしっかり摂る食生活」
「トイレに座る習慣をつける」
体が自然と排便を意識するようになって効果的です。
ただ、無理に出そうとして長時間きばらないでください。長時間座っていることによって便通がうまくいくという保証はありません。きばったりすると血圧が上がったり、血管の病気を誘発することもあるので良くないです。
「便意を我慢しない」
便意を我慢すると、便意を感じ取る直腸のセンサーが鈍ってしまいます。行きたくなったら、便意を我慢せずにトイレに行きましょう。
便秘薬
それでも全然改善されない場合は、薬物療法になります。
便秘だから、便秘薬を買ってきて飲むと、下しちゃったりとか痛すぎてつらいことってありますよね。
薬の中でよく使われるのは、刺激性下剤と言うものですけれども、これは本来、弛緩性便秘で腸の動きが弱い人に使う腸を動かす薬です。
その薬を、痙攣性(緊張性)便秘の人が飲むと、収縮して、症状が強くなり、お腹が痛くなってしまいます。
ですので、自己判断で便秘薬は飲まない方がいいです。
最近、新しい薬が出ました。
2012年11月より販売が開始された便秘薬「アミティーザ」です。今までの薬とは違う働きで期待されています。
- 体内の水分を便に引き寄せ、便を柔らかくする
- 大腸内壁の粘液の分泌を高め、便の滑りをよくする
ごく自然な排便を促す薬で、どの機能性便秘にも効果があります。この薬は医師による処方が必要です。
薬に頼るのは抵抗がある人も多いと思います。
食物繊維と水分が、便秘解消には大事。
腸の働きをよくするために必要なものを、サプリメントは薬じゃないですけど、やっぱり食品から自然な形で摂りたい。
妊娠中でも安心して飲める「黒豆ごぼう茶」がオススメです。
飲み物をこれにすれば食物繊維と水分が同時に摂れますね。
まとめ
便秘は重い病気のサインである場合もあるので甘く見てはいけません。
器質性便秘には大腸がんの前触れの場合もあります。
危険因子の多い人(高齢の人・家族に大腸がんの人がいる方)や、思い当たる人は迷わず検査を受けてくださいね。
生活習慣を変えて、つらい便秘にさよなら。そして早めの検査をしましょう。