RSウイルス感染症の患者数は年々増えてきています。
2012年くらいから全国的に増えてきていて、RSウイルスの検査をするようになったのが 3年ほど前です。
増えてきた要因は、検査をすることによって患者数をより正確につかめてきたということです。
RSウイルスかどうかを判定する検査キットというのがあるのですが、これが外来で保険適用されるようになったのが 2011年。
それまでは適用外だったこともあり、一般的にはあまり検査をされていませんでした。
ということは3年前までは、本当はRSウイルスに感染しているのに、そうとわからなかった患者さんも大勢いた可能性があります。
いったいRSウイルスとはどのようなウイルスなのでしょうか。
RSウイルスとは
「風邪」のウイルスのひとつでもあるんです。
風邪と診断された場合、原因は何かというと10~20種類のウイルスです。
『風邪の代表的な原因ウイルス』
- テラノウイルス・・・鼻風邪(鼻水やくしゃみ)
- RSウイルス・・・痰が絡む咳、発熱など
- メタニューモウイルス・・・細気管支炎など
RSウイルスの症状(初期)
RSウイルスに感染すると、まず子供は 元気がなくなり、咳こんだり熱が出たりします。
感染者のうち3割程度が下気道、つまりノドから肺にかけての症状が現れます。
RSウイルスの症状(重症化した場合)
重症化すると咳がひどくなり呼吸困難、そしてさらに進むと肺炎を引き起こします。
まれに「無呼吸」が起こる場合もあります。寝ていて突然呼吸が止まり、突然死につながる例も報告されているんです。
そういう意味ではインフルエンザよりも重症感があります。
RSウイルスの潜伏期間
潜伏期間が2日から1週間くらいあります。
症状が出始めてから、早い場合は6時間くらいで重症化してしまうことがあるんです。
なので、しっかりと子供の症状をチェックして、おかしいなと思えばすぐに病院へ行くことが大事です。
RSウイルスの症状で注意が必要な症状
子供や赤ちゃんの症状で注意するべきもの。
- 呼吸数が多くなる⇒通常は1分間に40回ほどだが、1分間に60回になるなど
- 痰が詰まってゼイゼイするような咳が出る
- 水や母乳を飲まない
- 苦しそうに呼吸をする
さらに、もともと呼吸器や心臓に疾患を持つ子供は注意!
乳幼児は急性気管支炎、肺炎を起こしやすいということも知っておきましょう。
RSウイルスの感染ルート
RSウイルスの感染経路は、メインは飛沫感染と接触感染です。
せきやくしゃみでウイルスが飛び散ります。
ドアやおもちゃなどに触ることでウイルスが付着します。
飛沫が服に付いた場合、30分間は感染力を保つんです。そしてRSウイルスは一度感染しても免疫がつきにくく、一生に何度でも感染します。
子供だけでなく抵抗力の弱い高齢者がかかっても、肺炎など重症化する可能性が高いです!
RSウイルスの薬と予防法
インフルエンザのようなワクチンや特効薬はありません。
予防としては、
- 公共施設(電車なども含めて)子供を人ごみに連れて行かないようにする、避ける
- 手を触れる可能性がある場所やもの(ドアノブやおもちゃ)をまめに除菌消毒する
- 手洗い、うがい、マスクをする
- 食器などの共用は感染の原因になるので避ける
- タバコの煙は子供の呼吸器にとって大きな刺激になるので近付けないこと
もう1つ注意が必要なことは
大人もRSウイルス感染しますが、ほとんどが軽く済みます。
単なる風邪のひきかけ、と思っていると、それを子供にうつして重症化する可能性もあるので、親も感染しないように気を付ける必要があります。
RSウイルスに感染したかな?と思ったときは
重要なのは水分補給!
子供はだるさなどから水分を欲しがらなくなるケースがありますが、それでもしっかりと水分を補給してください。
水分がとれないと、なかなか熱が下がりません。
赤ちゃんはよくRSウイルスに感染しますから、子供用の補液(スポーツドリンクなど)や
果物のジュースを多めにあげるのが重要です。
もし子供が「変な咳をしている」「呼吸がしんどそう」という症状がある場合は、迷わずお医者さんで診てもらいましょう。