間違えがちな慣用句をご紹介します。
前回は「ら抜き言葉」を取り上げましたが、今回は「れ足す言葉」です。
れたす?
間違えて使ってしまってる言葉って、そんなのもあるんですねぇ。
れ足す言葉とは
「早く実戦で戦えれるようになりたい」
「オリンピックに行けれるように頑張ります」
この2つの文章。変なのが分かりますか?
「戦える」「行ける」がすでに可能動詞です。「れ」を入れる必要は全くない。
ら抜きと違って、「れ」を足してしまう。若者に多いんです。
他にも語形の誤りというのがあります。
語形とは、語の外形。音韻の連続体としてとらえた語の形。
語の形として間違っているもの
こんなふうに使ってませんか?
『取りつく暇もない』
正しくは「取りつく島もない」です。
「ひま」と「しま」って音が似てますよね。
島=拠りどころ
なので「取りつく島もない」は
「頼りにしたい相手に冷たくされて、きっかけがつかめない」という意味です。
『的を得る』
正しくは「的を射る」です。弓矢の的ですから、的は射なきゃいけない。
「当を得る」という言葉と混同してしまってるんです。
当を得るとは、道理にかなっている、という意味。
的を射るとは的確に要点をとらえる、という意味です。
『雪辱を晴らす』
正しくは「雪辱を果たす」です。
雪という文字があるので「晴れる」で正しいかと思うんですけど、雪は「すすぐ」「そそぐ」の意で使われています。
「雪辱」は、恥ずかしめをすすぐ、ということ。
「晴らす」は、「心のわだかまりを取り除いて、はればれとした気持ちにさせる」という意味ですが、「雪辱」だけで、負けた辱を洗い流すという意味なので「晴らす」は、いりません。
まとめ
前回の記事では、実際の意味と違う使い方をしている言葉がけっこうありました。
どっちの意味にも取れる言葉(あいまい性)や、似た表現(類似性)があります。そういうところから誤解されます。
誤解を繰り返されて、一般化してしまって、誤解した方の意味でみんなが使ってしまう。
今回ご紹介したような、本来の使い方とは違った使い方をしている言葉はいっぱいあります。
だけど、みんなが間違った使い方をしてそっちの方の意味で一般化しちゃったとしたら
正しい意味で使った場合、逆に意味が通じなくなることもあるわけで・・・。
言葉って面白いですね♪