はしかというのは、春から夏にかけて流行する感染症です。
2014年に入り3か月で2013年1年間の患者数に並びました。
いったいなぜ急増しているんでしょうか。
はしかの原因
今回検出されているウイルスの多くは、フィリピンで流行しているタイプです。
フィリピンで感染した人が、帰国して発病、それをきっかけにウイルスが広がっているという状況。
最近2年~3年に検出されるウイルスの多くは海外で流行した株が多いんです。
かつて日本は何十万人もの人がはしかにかかり、日本ははしかの輸出国として世界に恐れられていました。
しかし、ワクチンの登場で患者数はどんどん減少。
今では日本より患者数が多い海外に旅行した時に、持ち帰るようになっています。
つまり、日本ははしかの輸入国に!
今回発病した患者の多くは、ワクチンの接種歴の無い人、接種したか不明の人です。
はしかのワクチン
あれ?ワクチンって小学生の時に、みんな接種しなかったっけ?そう思いますよね。
実は、はしかのワクチンは2回接種が有効で2006年より定期接種が実施されています。
- 1回目・・・1歳児
- 2回目・・・小学校入学前年度
なので、ワクチンを接種してない0歳児や、2回目のワクチン接種前の1~4歳児と2回接種が行われていなかった20代~30代に、はしかが流行っています。
しかし40歳以上の人は少ないです。なぜなのか?
子供時代にはしかが流行し、罹患したり、ウイルスにさらされていたので抗体を持っている人が多いからだと考えられます。
はしかについては、1度かかると抗体ができて再びかかることはないと言われています。
はしかの症状
主に、高熱、発疹が出ます。
子供の場合、ほとんどは10日以内に治まります。しかし大人がかかるとやっかいなことが。
はしかの合併症である、中耳炎、肺炎、1000人に1人の割合で脳炎を起こして重篤な状態に陥ることもあります。
特に気を付けてほしいのが妊婦の人。
妊婦は免疫機能が低下しているので重篤化しやすいんです。
流早産を起こす割合は約3割も!そのうちの9割は発疹後2週間以内に流早産を起こすと言われています。
しかも、ワクチンは胎児への影響を考えて、接種できません。
ワクチンを受けたら接種後2カ月は妊娠しないようにする必要があります。
はしかの治療
麻しんウイルスに特効薬っていうのがないんです。
はしかにかかったとしても、熱が出れば解熱剤など、症状に応じた対症療法しかありません。
だから、はしかは予防が大事!
予防というと、マスクとか手洗いかな?と予想できますが、どうなんでしょうか。
はしかの予防法
麻しんウイルスは感染力が強いんです。
例えば、集団の中に1人の発症者がいると、12~14人が感染すると言われているほど。
ちなみに、インフルエンザだと1人か2人です。
ということは、インフルエンザの10倍!?
麻しんウイルスの感染力がいかに強いかってことが分かりますよね。
インフルエンザは飛沫感染なので約5mしか飛ばず、マスクや手洗いで予防が可能。
麻しんウイルスは非常に小さく軽いので空気中に漂っています。
マスクの隙間から入ったり、手洗いをしても空気中のウイルスが自然に付着してしまうのでマスクや手洗いでは予防できません。
しかも、接触・飛沫・空気のいずれの感染経路でも感染してしまいます。
だから、はしかの唯一の予防法はワクチン接種!
はしかの流行は、夏にかけて本番を迎えます。海外旅行する際には、抗体を持っているか不明な人はワクチン接種をしてくださいね。