ぬか床の表面にあらわれた白いものの正体とは!?
ぬか床を混ぜないと、白くなってしまいます。
それから、ぬか漬けの美味しさについてです。
ぬか床を毎日混ぜる理由
白カビ(産膜性酵母菌)と言われるものです。
酸素を好むので、ぬか床の表面に白く生えます。
この白カビがはえてしまったら、そのぬか床はもうダメ。
白カビが生えるには、酸素が必要。
だから、ぬか床の表面にしか生えません。
そこで、白カビを生やさないために、毎日ぬか床をかき混ぜること。
混ぜるのは、ぬか床に酸素を入れるためではなく、白カビのような酸素が好きな悪い菌を、酸素が少ない内部に押し込み、退治するためなんです。
ぬか床の美味しい作り方
ぬか床が新しいうちは、丸い形をした球状乳酸菌が主流。
その後、桿状乳酸菌に変化するんです。
ぬか床は、乳酸菌が増殖すると酸性が強くなっていきます。
すると、酸性に弱い球状乳酸菌が減少。
桿状乳酸菌が増えていくんです。
桿状乳酸菌はぬか漬けをおいしくすると言われています。
おいしいぬか床を調べてみると、乳酸菌がいっぱい。
ところが、新しいぬか床には乳酸菌がほぼゼロ。
新しいぬか床には、乳酸菌がいません。
どこから乳酸菌がやってくるのかというと、野菜が運んできます。
乳酸菌は、野菜に付着しています。
野菜に付着した乳酸菌は、主にぬかの糖と脂肪をエサにして食べ、分裂しながら増殖。
そして乳酸菌が作り出す栄養分と、乳酸菌自体が野菜に入り込み、野菜が漬物に変化します。
乳酸菌の働きが、ぬか漬けの命なのです!
新しくぬか漬けをしたいなら、何年も漬けているぬか床を分けてもらいましょう。
もらってきたぬかを、新品のぬかに混ぜます。
乳酸菌が繁殖したぬかを、新しいぬかに混ぜることで、繁殖のもととなる乳酸菌が多くなり、短期間でぬか床が出来上がります。
ぬか漬けが美味しい理由と栄養について
野菜に塩をして、浸透圧の力で野菜の水分を排出させます。
濃度のバランスを保とうとする働きが浸透圧です。
野菜から出た水がぬか床に染み込みます。
水分が出た分だけ野菜の細胞には隙間が出来ます。
今度はその隙間に、塩水に含まれたいろいろなうま味成分を戻してやるのです。
浸透圧の力を利用して、ぬか床のうま味成分を野菜に吸わせて、おいしくしているということ。
つまり、漬物のおいしさの基本は塩!
きゅうりをあらゆる漬け方をしてみて、栄養を分析。
味噌漬け、酢漬け、粕漬け、しょうゆ漬け、塩漬け、こうじ漬け、といった漬け方がありますが、それらとぬか漬けを比較しました。
なんと、ぬか漬けにしたきゅうりは、そのほかの漬け方をしたきゅうりよりも、圧倒的にビタミンB1が増加するんです。
16倍以上に!
もともとキュウリにはビタミンB1がほとんど含まれていません。
ぬかには大量に含まれています。
塩の浸透圧で、野菜の細胞内にうま味成分や栄養分が入る時に、水に溶けるビタミンB1もぬかからキュウリに移動していたのです。

