ご飯を食べた後は、すぐに歯を磨くように教えられてきましたよね。
しかし、食べてすぐ歯を磨くのは大間違いだったのです!
歯のためには、どうするべきなのでしょうか。
歯磨きのタイミング
食後、30分から60分くらい経ってから、歯を磨くのが正しいタイミング。
なんと、食後すぐ歯磨きをするのは日本ぐらいなんです。
世界の常識とは違います。
そもそも、食べたらすぐ歯磨きをするのは、日本人に歯磨き習慣を定着させるため50年以上前に推奨されたもの。
当時は、虫歯の原因が解明されていませんでした。
学校の教師も、歯科医師も、歯を磨いて食べかすを取り除くことが虫歯予防だと考えていました。
今では、それは間違いなのです。
なぜかというと、食後の口の中は、酸性に傾きます。
すると、歯の表面のリンやカルシウムが唾液の中に溶け出し、歯は柔らかくなります。
柔らかくなった歯は、唾液の力により、30分から60分かけて元の硬さに戻っていきます。
これは再石灰化という重要なプロセス。
ところが、食後にすぐ歯を磨くと、柔らかくなった歯を削ってしまうことになります。
やがて歯はボロボロに!
間違った歯磨きが虫歯や歯周病のリスクを格段に上げてしまうのです。
虫歯を放置したらやばいことに!
虫歯が原因で命を落とすことがあります。
いくらなんでも虫歯で?と思うかもしれません。
一体どういうことなのでしょうか?
虫歯を放置していると虫歯菌が顎の骨にまで到達します。
そこで虫歯菌は顎の骨を溶かす内部を腐らせ、様々な雑菌が繁殖するようになります。
その雑菌が血液によって全身を巡り、体のあちこちで雑菌が増殖。
ついには敗血症という恐ろしい病を発症させます。
敗血症にかかった場合の死亡率はなにと30%!
他にも歯周病や虫歯でガンになったりインフルエンザになったりします。
口の中だけではすみません。
脳梗塞の原因にもなります。
歯周病が引き起こす病気
手先がしびれることがあったりたまにパソコン画面が見えにくくなることはありませんか?
手先のしびれと目のかすみは、糖尿病の可能性が!
実は近年、歯周病は糖尿病を引き起こすということが明らかになりました。
糖尿病とは、血糖値を下げるインスリンの分泌が低下し、血糖値が高いままになる病気。
歯周病により、歯茎が炎症を起こすと、炎症部分から特殊なタンパク質が分泌されます。
このたんぱく質が、インスリンの働きを阻害するため、糖尿病にかかりやすくなるのです。
さらに糖尿病と歯周病を患っている患者に、歯周病治療を施した結果、糖尿病改善した結果がいくつも報告されています。
糖尿病の恐れのある人は歯周病検査をした方がいいかもしれません。
また、歯周病はアルツハイマーを悪化させる可能性もあります。
マウスに歯周病菌を感染させ、アルツハイマーの進行を調べたところ、歯周病菌に感染させていないマウスよりも、歯周病菌に感染させたマウスの方が、知能機能が著しく低下しました。
さらに、認知症で亡くなった人の脳からは、歯周病菌が見つかり、認知症でない病気で亡くなった人の脳からは歯周病菌が見つかりませんでした。
そんな研究結果も発表されています。
まとめ
歯周病は日本人の80%がかかっている病気。
歯周病のなりたては、目立った自覚症状がありません。
気付かないうちに、ゆっくりと進行していきます。
歯のぐらつきに気づいた時にはもう手遅れなんてことも。
歯周病の原因は、食べかすです。
歯周病の予防には、歯の隅々までキレイにすることが大事です。

